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The Drew League

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NBAドラフトが過ぎ、サマーリーグも終わり、フリーエージェントやトレードの話題も落ち着いてきて、NBAファンにとってはシーズン開幕までがひたすら待ち遠しいこの時期。そんな中、せっかくロサンゼルスにいるのだからと、全米でも有名なプロアマリーグのDrew Leagueへ行ってきた。

The Drewという愛称で親しまれるリーグは28チーム、2ディビジョンからなり、5月中旬から8月の中旬まで毎週末10試合以上行われる。ストリートボーラー、学生、NBA選手が入り乱れ、プロアマ関係なくプレーしている。試合で活躍すれば名のあるNBA選手でなくとも観客のリスペクトを得ることができる。

私が観戦した7月25、26日はリーグのWeek 11でレギュラーシーズンの最終週。次の週からプレイオフが始まるところだった。プレイオフ進出をかけて戦っているチームもいて、熱気のある試合を見ることができた。1000人前後を収容することのできる高校の体育館は入場無料でNBA選手が見れるともあって二日間とも満員に。定員に達するとそれ以上人が入れないように閉め切られ「We have a lock down!」と、今季初のロックダウンが会場内にアナウンスされた。

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土曜日のお目当ては15:15開始のBB4L対ICEO。ロックダウンされる前に入るべく、13時過ぎと早めに着いた。なかなか見応えのある接戦を観戦後、次の試合は68-57と少しスローな試合。ちなみに試合は全て1Qが8分ずつ。The Drew Leagueのドキュメンタリー「The Drew: No Excuse Just Produce」を監督・プロデュースしたバロン・デイビスが前日にICEOをリツイートしていたことからNBA選手が何人かプレーすることが分かっていたこともあり、いよいよ目的の試合が始まる頃には満席でクーラーのない体育館はすでに熱気であふれていた。デイビス率いるBB4Lは他に元クリッパーズのキース・クロス、DETでプレーしたことのるキャスパー・ウェアJr. がいた。キャスパー・ウェアJr.の父親もDrew Leagueのレジェンドの一人であり、親子共々MVPを受賞している。対するICEOはアンドレ・ドラモンド、サマーリーグでも注目を集めたDETのルーキー、スタンリー・ジョンソン、デリック・ウィリアムズ、ソロモン・ヒル。ドラモンドは最終的に14P 17Rを記録した。アナハイム(ディズニーランドがある町)出身のスタンリー・ジョンソンはDrew Leagueでもベテランのバロン・デイビスとマッチアップしながら17点と活躍した。全体的に身体が大きく、19歳にしてはがっしりとしていてNBAでどんな成果を上げるか楽しみだ。試合の結果は69-75でICEOの勝利。個人的にはキャスパー・ウェアの小柄ながらもがっつりとしたディフェンスに好感が持てたのと、現在USC(南カリフォルニア大学)でプレーするKatin Reinhardt(18P/8R/2STL)の華麗なクロスオーバーが見れたりと、収穫があった。

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日曜日は地元LA出身で8年ほどDrew Leagueでプレーしているニック・ヤングことスワギーPことI am Legend(Drew Leagueでのニックネーム)と、コンプトン出身のデマー・デローザンことThe Hawk(これもDrew Leagueでのニックネーム?)を見に出かけた。この日もラッセル・ブラウン・ディビジョン2位のM.H.P. (Most Hated Players)とプレイオフ進出をかけたProblemsの試合を観戦すべく会場は定員に達した。試合が始まる頃には前日のスペシャルオリンピックスの開会式でグローバル大使を務めるためにLAに来ていたデイミアン・リラードも観戦のために来場した。

ヤングとデローザンは息もぴったりにMHPをリードし、Problemsを率いる昨季のMVP、Money Mikeが45点も得点する中、試合はダブルオーバータイムにもつれ込んだ。そこへ絶好調のMoney Mikeが残り3.7秒で同点スリーを決めた。これはトリプルOTかと誰もが思った時、スワギーPのスリーがブザーと共に入った。観客がコートに流れ込み、スワギーはそのまま叫びながらロッカールームの方へと消え、さながらチャンピオンシップでも勝ったかのような盛り上がりだった。

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Drew Leagueの歴史は1973年にまで遡る。映画「Boyz n the Hood」の舞台でもありLAの中でも悪名高いサウス・セントラルで、地域の子供たちをギャングから遠ざけバスケットボールを通して人生の教訓を学ぶ場としてDrew Leagueは始まった。当時は地元の中学校を使用し、6チームという小さな規模だったのが次第にNBA選手も訪れるようになり、2012年には現在のKing Drew Magnet High School へ移った。今ではNikeとのパートナーシップにより、ロゴやジャージのデザインから体育館の外でカスタム可能なDrew LeagueのTシャツを販売するギフトショップまである。

The Drewはそれまでも全米でトップクラスのプロアマリーグではあったが、2011年のNBAロックアウトのおかげでさらにその認知度が上がった。ロックアウトのせいでチームの施設を使うことができなかった選手たちが少しでもプレーしたいと、次々と体育館に集まりだしたのだ。コンプトン出身のラッパーThe Gameは数々のNBA選手をフィーチャーしたロスターを組んだ。その中でも大スターのデュラントがダンクを決めると、その動画がNBAファンの間で話題を呼んだ。さらにレブロンもプレーをしに訪れ、ついにはコービーも現れた。サプライズだったのにツイッター等で話題になり、火曜日の16:30という時間にも関わらず試合が始まる頃には体育館の外まで長蛇の列が出来ていたそうだ。

今では7月にも入ると毎週のように夏休み中のNBA選手が誰かしら来ている。8月1日にThe Drewのプレイオフ(Week 12)を見に行くと体育館はすでにロックダウンされていて外に列ができていた。その日は蛍光イエローのアウェイ・ユニフォームに身を包んだM.H.P.のニック・ヤングは始終笑顔で楽しそうにプレーしていた。50ドルで座れるコートサイドにはロニー・トゥリアフが観戦しに来ていて、ファンからの写真のリクエストに毎度おどけたポーズで答えている。次の試合にはクレイ・トンプソンが来るらしいことを前日に知っていたので今か今かと待っていると、選手用入り口からハーデンが現れた。実況のGeorge Preciadoがハーデンの登場をアナウンスすると会場はどよめいた。その後、クレイ・トンプソンが兄のマイケル・トンプソン、父のマイケル・トンプソンと現れた。 ハーデンとトンプソン兄弟はそれぞれ黒いLAUNFDと白いC.A.B.C.のジャージを来てプレーし、結果的に78-71でLAUNFDが勝利。途中でスリーを決めたハーデンがお得意のかき混ぜるポーズをすると観客は喜び、クレイがきれいにスプラッシュすると感嘆の声があがった。

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翌日の日曜日には今年のドラフト2位でレイカーズの期待のルーキー、ディアンジェロ・ラッセルが観戦に来たことをツイッターで知った。普段は画面越しに見ることが多いNBAの選手を身近に感じることができるのはDrew Leagueの大きな魅力だ。NBAシーズンがお休み中の夏にLAに行くことがあれば、ぜひThe Drewに足を運んでみてほしい。

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Photos via drewleague.com

Last photo via bballmuse

参考記事:

Drew League: Everything You Need To Know About the Star-Studded Summer League  (via BleacherReport)

Drew League celebrates 40th anniversary: From humble beginnings to showcase for NBA stars and celebrities  (via Daily Bulletin)

Drew League: 40 Years of Summer League  (via drewleague.com)

How Kobe Ended Up At The Drew League  (via ESPN)

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